インディアナ大学麻酔科は伝統的に非常に臨床に強く、多数の優れた麻酔科医を輩出してきました。当レジデンシープログラムは全米でも3本の指に入る大きなプログラムの一つで、3学年で総勢80名前後のレジデントが在籍しており、毎年26名超のレジデントを新規採用しています。レジデントは5つの大きな教育病院をローテートしながらトレーニングを積んでいきます。
当レジデンシープログラムは外国人にも広く門戸を開いており、タイ、エチオピア、ナイジェリア、ベネズエラ、中国、韓国そして日本からもレジデントを 受け入れてきた実績があります。日本人レジデントは2003年、2012年、2013年、2014年、2015年、2016年、2017年にそれぞれ1名ずつ採用しています。
インディアナ大学麻酔科麻酔科レジデンシープログラムは、次の条件を満たす日本人医師の応募を随時受け付けています。当レジデンシープログラムにご興味のある日本人医師は、まずは岡野(dokano@iupui.edu)までCVをメールで送って下さい。
 

1.USMLE  Step 1 Step 2CKスコアがUS/Canadian 平均以上で、ECFMG認証取得済

ECFMG認証の取得はアメリカ臨床留学を考える上での最低条件です。USMLEの得点は、アメリカ麻酔専門医筆記試験の得点と相関することが知られているので、レジデンシープログラムとしてはできるだけ高得点の応募者を採用する傾向にあります。インディアナ大学麻酔科はアメリカの麻酔科レジデンシーの中でもレベルが高くて人気があり、USMLE高得点の応募者が多く殺到します。スコアは良いに越したことはありませんが、特に足切り点を設けることはせず、他の条件を総合的に考慮して評価します。
 

2.麻酔への情熱と環境適応能力

アメリカ人ですら、毎年1名は当プログラムから脱落していきます。日本人が言語や環境の異なる場所で、多大なストレスに耐えながらレジデンシーを全うするには、麻酔への情熱と環境適応能力が必要です
 

3.高度な英会話能力

高度な英会話能力は必須です。手術室でのマスク越しの聞き取りにくい、早口の会話にもついてくることが出来なければ緊急時の対応に支障をきたすことになります。英会話能力は電話面接、実地面接で評価します。
 

4.日本麻酔学会麻酔専門医

麻酔専門医という高い臨床能力があれば、多くの日本人医師が直面する英会話能力のハンディをある程度カバーできます。医学部新卒で麻酔を全く知らないアメリカ人応募者との差別化にも効果があります。ただし、USMLE高得点取得者や優れた英会話能力を既に獲得している応募者では、日本で初期研修を修了しただけで採用された方もいらっしゃいます。
 

【参考情報】日経メディカル「麻酔科医が見たアメリカ」

LinkIconhttp://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/blog/kurofunet/rokano/
 

【参考情報】ABAによる麻酔レジデンシー迂回プ ログラム

既に日本で麻酔専門医を取得し、相応の研究業績がある医師ならば、麻酔レジデンシー迂回プログラム(AEP: Alternative Entry Program)に応募する道 もあります。2014年から、ABA(米国麻酔専門医認定委員会)は、外国で麻酔専門医を取得した医師がレジデンシーを迂回して4 年間大学病院で勤務した後に、米国麻酔専門医試験の受験資格を与えるプログラムを発表しました。詳細は以下を 参照して下さい。
LinkIconhttp://www.theaba.org/TRAINING-PROGRAMS/Resident-Options/Alternate-Entry-Path
 
インディアナ大学ではまだこの 経路で応募してきた人物はいないので、実際にどのような待遇になるのかはケース・バイ・ケースで考慮することになります。上の発表内容によれば、フェロー や研究のかたわら、レジデント指導も行う、と記してありますが、インディアナ州の法律と、インディアナ大学病院の就業規則により、いきなりアテンディング (指導医)として勤務するのは困難であることをあらかじめご了承ください。
インディアナ州の法律では、 ECFMG認証を取得した外国人医師は、最低2年間のレジデンシーまたはフェローシップを終了していないと、州の医師免許(フルライセンス:指導医の監督 なしに医療行為が出来る)は取得できません。インディアナ大学病院の就業規則では、アテンディングとして採用されるには、フルライセンスが必須です。他の州や他の教育病院では、異なるルールにより、いきなりスタッフとして採用される道もあるかもしれないので、ご興味のある方はご自分で調べてみることをお勧めします。